今回から菌ちゃん農法の実際の畝作りの、具体的な部分に入っていきます。
菌ちゃん農法でおさえておきたい豆知識も、ところどころはさんでお伝えしていきますので、ぜひ参考になさってみてください。
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菌ちゃん農法(無肥料・無農薬栽培)をやってみよう!
スギナが生えるのは菌が少ない土地
2月末から実際の畝作りを始めていきました。
前回の記事でもお伝えしたように、我が家は元々スギナがたくさん生えている土地だったので、地面の中に広範囲で防草シートを敷いていました。
それを取り除いたのですが、その下にはスギナの根っこがすごいことになっていて…。
これを全部取り除こうとしたら、これだけで結構大変な作業になりそうです。
↓ 一面、こんな感じで根っこだらけでした…。
菌ちゃん農法のオンライン講座の中で、スギナが生えてくる場合は、上から覆う黒マルチ(農業で使う黒いビニール袋)を二重にしてはれば大丈夫だと説明されていたので、気にしないで進めてみることにしました。
このスギナが生える土地というのは、栄養分が少ない土地なのだそうです。
スギナ、スズメノカタビラ、カラズムギなどの棒状のツンツンとした単子葉植物と呼ばれる植物は、菌が少ない土地でも生えることができる草です。
草取りするのが大変で、草を取ればとるほど人間にとっては厄介な草が生えてくるのだとか。
それに対して菌がたくさんいる土地は、ハコベ、ナズナ、ホトケノザ、カラスノエンドウなどの丸葉系の背が低くて草取りしやすい双子葉植物が多く生えてくるそうです。
そのため一般的な化学肥料や化学農薬を使っている慣行栽培の土地と、有機栽培を行ってきた土地とでは植生に違いが見られて、土作りをしていくと5年くらいで生える草の種類も変わってくるそうです。
人間に「雑草」と呼ばれている植物たちにもすべて意味があって、その土地に必要な種類の植物がちゃんと生えてきているんですよね。
そのため菌ちゃん農法では畝と畝の間に生えてきた雑草は、なるべく取らずに残しておきます。
ソーラーシステムのように日光を浴びて必要な栄養を土の中に送ってくれて、大事な役割を果たしてくれるので、抜かずに残しておくそうですよ。
もちろん、野菜の生長を妨げるほど伸びた雑草などは、根元から切り取って取り除きます。
畝(うね)作り
早速、畝作りの作業に入っていきます。
土を盛る
菌ちゃん農法の畝は、この農法のかなめとなる「糸状菌」のことを一番に考えられた形状に作っていくことになります。
糸状菌という菌ちゃんたちは、適度な酸素と適度な水分を好みます。
水分が多く水浸しになってしまうと糸状菌は死んでしまうので、水はけがとても大切です。
そのために、高さは50cm以上の高さが必要です。
こうすることで余計な雨水は下へ流れて排出されます。
イメージとしては台形の形になるのですが、上の面の幅が1m、下の部分の幅は1m30cmとだいぶ大きくて高さのある畝になります。
途中の様子がこちらです。
やってみて実感したのですが、一般的な住宅の庭でこれだけの土を盛るって、結構大変な作業でした。
地面は固くて掘るのもひと苦労だし、掘っても石ばっかりゴロゴロ出てくるし…。
周りを掘り下げて、その時に出た土を盛っていくのですが、なかなか重労働で土が足りない状況になります。(予想はしていましたが)
私がやろうとしている無肥料の菌ちゃん農法は、肥料が入っていない土を使うことが大切です。
なぜなら肥料が入っていると栄養が足りているので、糸状菌が伸びようとしなくなるからです。
糸状菌を成長させるためには、肥料がない土がたくさん必要になります。
そこでオンライン講座の中では、カチカチになって使えないプランターの土も使えると説明されていたので、我が家にたくさんあったカチカチのプランターの土を全部投入しました。
色が違うけど、栄養分はとっくにないはずです。
この時に、元々育てていた枯れた植物の茎や根っこもそのまま入れて良いそうです。
まだ枯れていない緑のものは、土の中に入れてしまうと腐敗の方向に進んでしまいやすいので、まだ枯れていないものは取り除いた方が無難です。
少しくらいなら混ざっても大丈夫だそうなので、このへんはあまり細かいところは気にせずにどんどん進めていきます。
水はけが大事になってくるので、周りは水の通り道をしっかり作って、外に排出できるようにしておきます。
我が家は道路よりも結構土地が高くなっているので、水の抜け道さえ確保すれば道路まで自然と水が排出されます。
畝を2つ作りましたが、正直決められている幅まで大きく作ることができませんでした。
土も集めるのが大変だし、サラサラと崩れてきちゃうんですよね。
土を濡らしながらやれば、形を作りやすいのかもしれませんが。
初年度から100点を目指そうとすると大変すぎるので、今回はちょっと小さめサイズにはなりましたがOKとして進めていきたいと思います。
木の枝をのせる
ここからは盛った土の上に、菌ちゃんのエサをのせていきます。
糸状菌の菌たちは自然界の分解者です。
自然物を分解して土に戻す働きをしてくれています。
菌ちゃんたちを大きく成長させて活発にしていくためには、十分な食べ物が必要です。
その菌ちゃんのエサとなるものを、分解しにくい固い木の枝から順番にのせていきます。
公園で拾ってきた手でポキッと折れる朽ちかけている枝や、庭木を剪定した若い枝、庭のアスパラガスの枯れた茎などいろいろ入れていきます。
ススキやセイタカアワダチソウの茎も、間に空気があり、硬さもあっておすすめだそうです。
枝は10~20㎝の長さに短く切っておきます。
この時に朽ち始めている枝を入れることが大切です。
朽ち始めているということは、既に糸状菌が付いていて分解が始まっているということなので、そこから菌が広がりやすくなります。
焚き火で言うと、既に火が着火している状態の燃料を入れるのと同じで、そこから火がまわりやすくなるイメージです。
公園で朽ちかけている太めの枝も拾ってきました。
太いものは細い物よりも分解するのに時間がかかるので、その分エサが長持ちします。
庭に長年放置されていた板には白いのが付いていましたが、これも糸状菌の一種なのかな?
白くなっているものやカビや苔が生えているものも、気にしないで入れて良いと講座で言っていたし、むしろ菌が付いているエサがたくさん入った方が良いと思うので、このような物も入れていきます。
上に太い木や長い木を置いてしまうと、苗植えをする時にじゃまになってしまいます。
そのため上にのせる枝は10~20㎝ほどに短く切り、太い枝や長めの枝は側面の部分の土に入れていきました。
糸状菌は空気が好きなので、土の深いところには伸びていきません。
エサになる自然物も空気に触れやすい、土の表面近くにだけ入れていきます。
落ち葉をのせる
木の枝をのせた上に、さらに落ち葉をのせていきます。
こちらもいろいろな樹種や大きさの落ち葉があった方が良く、特にスギの枯れた葉っぱは、後から土をかぶせた時にも葉っぱの間に適度に空気が残るのでおすすめだそうです。
私は家の周りに落ちているのだけで十分の量だったので、今回はスギの葉っぱは入れませんでした。
土をかぶせる
木の枝、落ち葉と重ねてきましたが、その上から土をかぶせていきます。
上の部分に苗植えをするので、上の面は平らな方が苗植えしやすいのですが、幅が決められたサイズよりも小さくなってしまったこともあり、こんもり山型になってしまいます。
いまいちですが、今回はこれで良しとしたいと思います。
ひと雨待って雨にあてる
糸状菌の菌ちゃんたちは適度な水分を好むので、ひと雨待ってここまでできた畝をいったん雨にあてます。
私も雨にはあてたのですがそんなに強い雨ではなく、夜の間に雨が降っていて、朝に道路は濡れているけど畝に十分にしみこんだかはちょっと心配な感じでした。
そのため、次の黒マルチをはる作業の前に、念のためジョーロで水をかけてから作業しました。
急いでいる場合には、雨を待たずにジョーロで水をかけても良いそうですが、それだと表面は濡れても中は濡れていない状態になりやすいので、時間を少しおいてからまたかけるなどしないと不十分になりやすいそうです。
ひと雨あてるのが確実とのことでした。
黒マルチをはる
ひと雨あてた状態までできたら、上から農業用の黒いビニール袋、黒マルチをはっていきます。
販売されている黒マルチの幅や厚さはいろいろあります。
菌ちゃん農法では畝が高いので、幅は180cmのものが必要になります。
厚さはどれでも良いそうですが、0.02㎜よりも0.03㎜の方が長持ちはしますが、価格が高くなるので0.02㎜で良いとのことです。
0.02㎜は大体3作(例えば夏野菜→秋冬野菜→夏野菜)1年半から2年くらいでマルチの張り替えが必要になるそうです。
こちらは楽天などのネット通販でも買えますが、私は「菌ちゃんふぁーむ」のオンラインショップで購入しました。
サイト内の商品検索で「黒マルチ」と入力すると出ますよ。
マルチをおさえるマルチ押さえ(マルチトンボ・マルチキーパー)は菌ちゃんふぁーむで販売していないようだったので、私は楽天で買いました。
上の部分がまっすぐな物(きれいなT字の物)ではなく、カーブしている物の方がしっかり押さえられるのでおすすめだそうです。
まとめ買いの商品が一番少ない個数で100個入りからしかなかったので、私は100個入りを買いましたが、そんなに必要ない方は単品を必要な数だけ注文すると良いと思います。
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私は子どもにマルチ押さえをハンマーで打つのを手伝ってもらいましたが、この時に何個かマルチ押さえが割れて壊れたので、壊れてしまった時のことも想定して多めに準備すると良いと思います。
空気の穴を開ける
糸状菌の菌ちゃんは空気が好きなので、空気が出入りするように、横の方に穴を開けます。
木の棒などで刺すと簡単に穴が開きます。
石をのせる
無肥料の菌ちゃん農法は、プランターや肥料袋、みかん箱、木の枠で囲ったレイズドベッドなどでも栽培可能です。
そのような小さい大きさの時には必要ありませんが、ある程度大きいサイズの時には、上に大きめの石や土の塊をのせます。
これは、毛細管現象というものを起こさせるためのものです。
こちらも菌ちゃん農法が栽培が楽にできる特徴の一つかと思いますが、自然界には毛細管現象と呼ばれる現象があります。
これは、水を入れた容器に細長く折ったタオルの端っこだけを浸すと、勝手に水がタオルを伝って下から上へ吸い上がっていって、タオルの上の部分も湿っていくのと同じ現象になりす。
大きな石を乗せて上から重しの圧をかけたところの土は、この毛細管現象が起きて、地面の下にある水分を勝手に上まで吸い上げてくれます。
石の下の土は湿っているはずです。
この働きを使っていくので、菌ちゃん農法は栽培中、水やりもほとんど必要なく育てられるのが特徴です。
もちろん、例年以上に猛暑が続いたような暑さの厳しい真夏には、水やりが必要になることもあるそうです。
菌ちゃんの成長を2~3か月間待つ
さて、畝作りがここまでできました!
土を盛るところなど、なかなか大変な作業もありました。
私は周りに自然が多いので、菌ちゃんのエサを集めるのに苦労はしませんが、都会や町中の住宅地にお住いの方はエサとなる自然物を集めるのが大変なこともあるかもしれませんね。
ここまで頑張ったらあとは菌ちゃんがエサをもりもり食べて大きく伸びてくれるのを待つだけです。
でもこの期間に大事なことが一つあります。
それは、日々菌ちゃんたちに思いを寄せ、声をかけてあげることです。
「菌ちゃんありがとう!」と日々声をかけてあげましょう。
これは菌ちゃん先生も講座の中でとても大切なことだとおっしゃっていました。
女性の方はこれを伝えると、男性よりも比較的素直に実践される方が多いそうです。
それ以上に効果抜群なのが子どもたちの力なのだそうです。
子どもたちは本当に純粋な思いで、時には黒マルチに顔をくっつけながら「菌ちゃん、ありがとう!!」と真剣に声をかけてくれるそうです。
そういうご家庭では、野菜が素晴らしく生長するのだそうですよ。
菌ちゃんたちも生き物であり、私たちと同じ意識があると考えたなら、これは当たり前のことですよね。
ただ放置されるのと、日々「ありがとう!」と声をかけられたのとでは、菌ちゃんたちのやる気や生命力も違ってくるのでしょう。
我が家も子どもたちと一緒に、庭を通るたびに声をかけています。
寒い時期は菌ちゃんはお休み
2月末に畝作りを始めて、2月中には完成することができました。
その後も雪が降ることが何度かありましたが、基本的に寒い時期は菌ちゃんはお休み状態なので伸びていくことはないようです。
そのため、菌ちゃんが成長するのに2~3か月待つというこの期間には、12~3月の寒い期間は含まないそうです。
うちの菌ちゃん畑も、4月から菌ちゃんたちに本格的に成長していただいて、夏野菜の苗植えを6月あたりにできればいいなぁと考えています。
苗植えの時期になったら、またこちらのブログでレポートしていきますね!
お楽しみに~♪
【次の記事はこちら】
菌ちゃん農法の畝からスギナが!対策方法